中学校から高校にかけて、俺は超デブだったので、常人の女以上におっぱいがあった。
小学生の妹がよく「おっぱい♪おっぱい♪」と言って揉みに来た。
ただ無邪気に面白がってやってただけで、エロい気持ちなど妹には毛頭ない。
そのうち俺は乳毛が気になりだしたので、見せたり、直に揉ませたりするのは恥ずかしくなった。
と同時に妹のおっぱいも膨らみ始めてくると、妹は兄のおっぱいを弄ぶのは良くないことだと感じ始めたようだった。
俺が社会人になってしばらくした頃、妹は高校生だった。
そして巨乳だった。
俺に似なくてスタイルは良かった。
学校で彼氏が出来たようで、うきうきした表情を見せるようになったが、そのうち毎日イライラした顔で過ごすようになった。
どうしたのかと思い聞いてみると、「結局、私の価値はおっぱいだけか・・・」と独り言のように呟いて、ふてくされて部屋に籠もってしまった。
胸が大きいのを気にしてるのは知ってたし、たぶんおっぱいのことで彼氏と喧嘩でもしたんだろうと想像した。
思うに、おっぱい目当ての彼氏が、「おっぱい♪おっぱい♪」しか言わないとか・・・。
「私とおっぱい、どっちが大事なの!」
「そりゃあおっぱいだよ!」
たとえば、こんな会話で喧嘩にでもなったんだろう。
貧乳女子からしたら贅沢な悩みかも知れないが、意外とお堅い妹は、エロを前面に押し出す彼氏が嫌になったんだろうと俺は考えていた。
さて、俺は超デブから普通のデブになりかけていたが、まだおっぱいは十分あった。
しばらくして部屋から出てきた妹がつぶやいた。
「兄ちゃんは、痩せてからはおっぱい小さくなったよね。私も小さくなりたい。でも私は痩せてもおっぱい小さくならないだろうな・・・」
黙って聞いていると、妹はぶつぶつと、おっぱいばかり注目されることへの悩みを話し続けた。
大体俺が想像してたことに近かった。
「でも、お前だって小さい頃は『おっぱい♪おっぱい♪』って嬉しそうに俺の揉んでたよな」
「あれはー!子供がふざけてただけじゃん。・・・ごめん、謝るからもう言わないでよ、恥ずかしい」
「じゃあ、あの頃のお返しってことで、お前のおっぱいを揉ませろ」
「えー、ウソ、やだ恥ずかしい・・・んっ、お兄ちゃんやめっ、あっ・・・!」
・・・という展開にはならなかった。
妹は可愛いが、性的興奮対象ではなかった。
そんなのはお互いわかってるから、妹も俺に平気でおっぱいの話ができたのだ。
「私は『パイズリ』だってさ。初めて聞いたよ、気持ち悪い」
彼氏が男子達に、「お前の彼女、巨乳だからパイズリ出来るだろ」とか言われてるのを聞いてしまって、パイズリのことを知ったらしい。
「おっぱいが大きいだけで、そんな想像されるってサイテー」
俺は言ってやったさ。
「まあそれは、色々経験したらわかるようになるんだよ。男なんてそんなもんよ、誰だって巨乳を見たらパイズリしたくなるもんだよ」
「うえー、まさか兄ちゃんもパイズリ好きなの。でも彼女いたことないくせに、あっ、風俗か」
「俺は風俗は行ったことないな」
「じゃあ誰にパイズリしてもらったの」
「俺はするほうだ!」
「・・・」
終わり。