高校3年生の頃の話です。
自分には好きな人がいました。
仮にその子を『T』とします。
Tは高校1年の時に初めて同じクラスになり、自分が一目惚れしました。
ですが、彼女とは1回も喋ったことがありませんでした。
彼女と初めて喋ったのは、高校2年の時。
彼女は高校2年の前半の頃、病院に入院していたため、しばらく学校を休んでいました。
彼女は2学期が始まった時に登校し始めました。
そんなある日の放課後、自分が友達を探していると、自分の教室が明るかったので気になって中を見てみると、彼女が1人で勉強をしていました。
そのとき初めて彼女に話しかけました。
俺「◯◯(友達の名前)見た?」
T「◯◯?うーん見てないけど」
俺「そっか・・・てか何やってんの?」
T「ん?勉強だよ。入院してる間に数列の範囲がスゴい進んでて全く分からないんだ」
真面目だな~って思ってると・・・。
T「I(俺)さ、ここ教えてくれない?Iって数列得意なんでしょ?」
俺「いいよー」
確かに当時、自分は『数列の帝王』と呼ばれるぐらい数列ができていたので、ここは見せ場だと思い、彼女を教えることに。
俺「ここにこれを代入して、それで・・・」
こんな感じに教えていると・・・。
T「おー解けた。さすが数列の帝王だね」
俺「正直、解き方さえ分かれば簡単だろ?」
T「うーんでもやっぱ難しいな。・・・ねえ、もしまた時間あったら教えてくれない?」
俺「おう、任せとけ」
彼女とこんなに話すことができて自分のテンションは上がっていました。
もっと話したかったのですが、探していた友達が来たので彼女とは別れました。
帰りに友達が、「Iも彼女を作って、俺を裏切るんだな~」と冷やかしてきましたが、凄く嬉しかったのを覚えています。
その日の夜、彼女からメールで『また教えて』っていうメールが来たので、明日もまた勉強を教える約束をしました。
次の日から彼女の勉強を手伝うことになり、彼女とは話す回数がだんだんと増えてきました。
そんなある日のこと。
T「Iってさ・・・好きな人とかいる?」
俺「え?・・・いるけど」
T「えー、誰だれ?」
俺「・・・言えるか」
本当は目の前にいるのに、なぜか言えませんでした。
その後、彼女は自分の好きな人を探ろうとしてきましたが、自分は断固として言いませんでした。
俺「じゃあさ、Tは好きな人いるの?」
T「・・・いるよ」
俺「へぇー」
これ以上は聞きませんでした。
もし自分じゃなかったらと考えて、そこは聞けず、それからは互いの好きな人を詮索することはなくなりました。
それから半年ぐらい経ち、気がつけば高3です。
彼女とは同じクラスでしたが、もう勉強を教えることはなくなり、話すことも減っていました。
自分も志望校を目指すのに日々勉強ばかりしていました。
そんなある日。
友達「あー、俺も彼女が欲しいな」
俺「この時期に何言ってんだ」
友達「いやさ~、最近ストレスばっか溜まってんだわー。だから癒しってもんが欲しいわ」
俺「・・・確かにな」
友達「確かにって、お前には彼女いるじゃん」
俺「は?」
友達「とぼけんなよ。昨日予備校で、俺そっちのけで楽しそうに話してたじゃねーか」
俺「ちげーよ、ただの幼馴染みだよ」
友達「はぁ~、どっちでもいいけどさ、調子乗ってると殴るぞ」
その日の放課後、先生に質問して帰ろうと思っていたら教室にTがいました。
このところあまり話していなかったので、久しぶりに彼女に話しかけました。
俺「おう」
T「・・・あのさ、Iってさ、志望校どこ?」
俺「俺?・・・俺はW大学だけど」
T「うーん・・・じゃあ私もそこ受けようかな」
俺「えぇ?ってか志望校まだ決めてなかったのか?」
T「まぁね。親とか先生にも『早く決めろ』って言われてる」
俺「でも何で俺と一緒のとこなんだ?」
T「・・・だってIのことが好きだから」
俺「え?・・・マジで?」
T「うん、勉強教えてくれる前から好きだったんだよ」
俺「そうか・・・」
この時すぐに返事しとけばよかったのに、状況がまだ呑み込めていなかったので、しばらく棒立ちのままでした。
すると・・・。
T「・・・でも、Iって彼女いるんでしょ?」
俺「え?」
T「今日話してるの聞いたんだ。だから返事は聞きたくないよ」
そう言うと彼女はどこかに行ってしまいました。
自分は何をすることもできず、しばらく棒立ちでした。
次の日、彼女とは目を合わせることも出来なかったのですが、さすがに誤解されたままでは駄目だと思ったので、放課後に彼女を呼び出しました。
俺「あのさ、本当に俺、彼女いないよ」
T「・・・」
俺「俺もさ、ずっと前からTのことが好きだったんだ」
T「・・・本当に?」
俺「うん」
T「本当に本当?」
俺「うんうん」
T「じゃあさ、キスしてくれる?」
俺「うん」
教室だったのでかなり動揺しましたがOKしました。
そしてキスをした後・・・。
T「ねえ、誰も来なさそうだし・・・やらない?」
俺「いやいや無理無理無理、人が来たらヤバイだろ」
T「えーやろうよ、最近ストレス溜まってるって言ってたじゃん」
俺「・・・じゃあ、せめて奥のE組でやらない?」
自分の性欲には勝てません。
結局、当時使われていなかったE組ですることになりました。
俺「じゃあ・・・やるか」
T「うん」
最初にキスをしました。
結構長かったので息苦しかったですが、とても気持ちよかったです。
彼女の下を触ればグショグショで、もう入れてもよさそうだったので彼女の中に入れました。
俺「大丈夫?痛くない?」
T「・・・ちょっと気持ちいいかも」
彼女は処女だったのですが、あまり痛くなかったそうです。
それから10分くらいして中に出し、その日は2人で帰りました。
T「ってか、Iって本当に彼女いなかったの?」
俺「だから本当だよ」
T「じゃあ前に言ってた幼馴染みの子って何なの?」
俺「いや、普通に女友達みたいなやつだよ。てか、あいつには彼氏いるし」
そう言うと彼女は無言で腕にくっついてきました。
その後は特に会話はしていないのですが幸せでした。
その後、自分たちは無事志望校に合格しました。
今も彼女と付き合っています。