「ほんとにやるんですか、先輩・・・」
上半身裸の僕はジーンズのベルトに手をかけたまま、A美さんに尋ねた。
「当然でしょ、約束は守ってもらわないと」
暖を取るためストーブを焚いた狭い部屋の中、椅子に腰掛けたA美さんは腕組みしながら言った。
その姿勢のせいで、彼女のただでさえ大きな胸がさらに自己主張する形になり、ピンク色のセーターを押し上げていた。
目の前にある机の上には、使い込んだ感じのスケッチブックと鉛筆が無造作に置かれている。
「さっ、早く」
「わかりました・・・」
ため息まじりに頷いて、僕はベルトを外した。
(こんなことになるなら、あんなバカな賭け、するんじゃなかった・・・)
もうかれこれ5年ほど前の話。
事の発端は、当時まだ大学一年だった僕が所属していた漫画研究会の忘年会での席のことだった。
部員は4年生まで含めても10人ちょっとの小さなサークル。
女子は3人いたんですが、その一人が僕のひとつ上の先輩A美さんでした。
「ねぇ、K平。勝負しようよ」
A美さんはゲーム機のコントローラーを握って、僕に言った。
その時の忘年会は、部長であるT先輩の部屋で行われていたのですが、もう夜中の2時を回っていたので、僕も含めて5人しか残っていませんでした。
それに、部長を含めた3人は酔い潰れて眠っており、まともな状態にあったのは、下戸でアルコールを一滴も飲まなかった僕と酒豪のA美さんだけ。
時間を持て余した彼女が、僕にゲームのお誘いをする恰好となった。
「いいですよ、何やります?」
「う~んっと、これ」
床に散乱したゲームCDの中からA美さんが選び出したのは、少し前に出た格闘ゲーム。
僕はこのゲームを結構やりこんでいた。
「いい?」
「ええ、かまわないです」
「それじゃ・・・よっと」
A美さんはゲーム機にCDをセットした。
「ねっ、ただ勝負するだけじゃつまんないし、何か賭けない?」
「えっ、何かって?」
「たとえば、負けた方が一日だけ、勝った方の絵のモデルになるとか」
「絵のモデルですか?」
「そう、なんでも言われたとおりの格好やポーズをしなけりゃいけないの」
なんでも、という言葉に少し僕の下心がくすぐられる。
「面白そうですね、やりましょうよ」
僕は笑みがこぼれないように、顔をこわばらせて言った。
正直な話、この時僕は自分の勝利を確信していた。
A美さんは漫画の腕は確かだけど、ゲームの方はお世辞にも上手いとは言えない。
その上、僕はこの格闘ゲームにかなりの自信があった。
「よし、それじゃ二本先取一回こっきりの勝負だから」
下がったメガネを指で押し上げながら、僕の方を向いて確認を取るA美さん。
「了解です」
勝負が始まる前から、僕の頭の中には、ちょっとエッチなコスプレをしたA美さんの姿でいっぱいになっていた。
どんなポーズを取らせてやろうか・・・。
その時の僕は、鼻の下をだら~んと伸ばしたひどく情けない顔をしていたことでしょう。
・・・しかし、勝負が終わってみれば、結果は僕の惨敗でした。
「な、なんで・・・」
僕の空手家キャラは、A美さんが華麗に操る女性キャラにあっさり倒されてしまった。
「へへ、実はこの前、実家に帰ったとき、弟にみっちり仕込まれてさ」
「さ、詐欺だ・・」
「何言ってるのよ、K平だって、わたしが下手だと思ってたから、最初は心の中でしめしめって思ってたくせに。おおかた、勝った後でわたしにどんな格好させてやろうかとか考えてたんでしょ」
「う、ううっ・・・」
横目でじとーっと僕を見つめながら、図星を突きまくるA美さん。
「とにかく、約束は約束。きちんと守ってもらうわよ」
「は、はあ・・・」
その時はあんなことになるだなんて、僕は夢にも思っていませんでした。
自分は男だし、恥ずかしい恰好を強要されることもないだろう、そう高をくくっていた・・・。
「へええ~っ、結構立派じゃない」
ジーンズにトランクスまで脱いで、全裸となった僕の身体を見て・・・、というより、ある一部分を見てA美さんは言った。
「平常時でこれだと、大きくなったらどれくらいになるんだろ・・・、こら、隠さない隠さない。約束でしょ、どんなポーズでも取るって。ほら、両手は横にだらんと下ろしとけばいいの」
しぶしぶA美さんの命令に従う僕。
まさか、ヌードデッサンが目的だったとは・・・。
僕の考えていたエロコスプレなんか可愛いもんだ。
全く、年明け早々まだ学校も始まっていないのに、わざわざ先輩のヌードモデルになるために、この薄汚い部室までやって来るはめになるとは・・・。
そんな僕の思いをよそに、A美さんは僕の股間に顔を近づけて繁々と見つめている。
「ふ~ん、おっきいわりに、皮はちょっと余り気味みたいね。仮性包茎って言うんだっけ、こういうの」
「ええ、そうだと思います・・・」
「あっれ~、なんかちょっと元気になってきてない、これ?」
「いや、そ、そんなことは」
「だってピクピクしてるし」
椅子に座って僕の股間を見ていたA美さんは、顔を上げて、口元にいたずらっぽい笑みを浮かべて言う。
こういう時のA美さんはすごくエッチっぽい。
「そ、それはですね・・・」
正直な話、その時の僕はものすごく興奮していた。
だって・・・。
「ね、K平ってまだ童貞だったよね?」
「は、はい?」
出し抜けな質問に、僕は言葉を失う。
「あれ、違ったっけ?たしか入部した時は童貞だったよね」
そう言えば、入部したての新歓コンパで無理やり酔わされて、色々個人的な情報を吐かされたことがあった。
「あれから一度も彼女できてないよね?ひょっとして、ソープで筆下ろしとか?」
「ち、違いますよ!そんなとこ行ってません」
慌てて否定する僕に・・・。
「じゃあ、やっぱりまだ童貞だ」
「・・・はい」
「ふふっ、どうりでここがピンク色なわけだ」
そう言って、A美さんは鉛筆の頭で、僕の半分皮をかぶった亀頭をツンと突っついた。
「あうっ!」
「やだっ」
その刺激に、僕のペニスはビクンと跳ねるように反応した。
「あははっ、すごい。ねっ、わたしに見られてこうなっちゃったの?」
「それはまあ・・・」
その頃には、僕のチンポは完全な勃起状態になっていた。
「もう、始める前からこんなにビンビンにしちゃって」
「すみません・・・」
僕は股間をいきり立たせた不様な恰好のまま、頭を下げる。
「ふふふっ、いいのよ、べつに。はじめから、おっ勃ったオチンチンが描きたかったんだから」
「え・・・」
不敵な笑みを浮かべるA美さんを見て、僕はますます不安になるのだった・・・。
「立ったままだと、描きづらいわね。ちょっと、ここに寝てくれない?」
A美さんは机の上を指差して言った。
「ここに寝るんですか?」
「うん、そっちの方が見やすいし、K平も楽でしょ」
「ええ、まあ・・・」
「じゃ、どうぞ」
A美さんは机の上の鉛筆やらスケッチブックやらを脇にやって、僕の寝っころがるスペースをつくった。
僕は気が進まないものの、素直にしたがって、靴を脱いで、ソックスを除いて全裸という情けない恰好のまま縦長の机の上に横になった。
木製机のひんやりとした冷たさと堅い感触が背中に伝わる。
「寒い?」
「ええ、少し・・・」
当然だ。
ストーブを点けていると言っても、外は一月。
全裸で寝る季節ではない。
「ちょっと待って・・・、これ掛けてあげる。お腹が冷えるといけないもんね」
そう言って、A美さんは壁にコートと並べてかけていた赤いマフラーを手に取り、僕のお腹と胸に掛けてくれた。
(なんだ、これなら上は脱ぐ必要なかったんじゃないか・・・)
そう思ったが口にはしなかった。
「うっわあ・・・それにしてもエライことになってるわね、君のアソコ。さすが、童貞君ってカンジ」
まるで海面から跳ねだしたエビのように反り返った僕のペニスを見て、A美さんはため息混じりに言う。
「すみません・・・」
「だから、謝んなくっていいってば。これくらい元気がある方がこっちも好都合なんだから。ふふふっ、この色といい、艶といい、反り具合といい、創作意欲を掻き立てられるわぁ~。ただ・・・」
不意にA美さんの指が、僕の股間に伸びた。
「ここの皮は余計ね。ちょっと剥かせてもらうわよ」
「はうっ!」
A美さんは僕の勃起を掴んだかと思うと、指先で包皮を優しくずり下ろした。
「うん、これで完璧ね。ふふっ、どこから見ても立派なオチンチンよ」
亀頭が完全に露出したチンポを見て、満足気に笑う。
「あああっ・・・」
「あれ、どうしたの、そんなマヌケな顔して」
A美さんは、口をだらしなく開いて放心状態になっている僕を不思議そうな目で見る。
おまけに、僕の腰はビクビク震えていた。
「あっ、そうか、女の人に触られたの初めてだったのね」
「は、はい」
「そっか、まあ、初めてじゃ仕方ないか。でも、デッサン中にいきなり射精して、わたしにかけたりしないでよ」
「それは大丈夫・・・だと思います」
正直、ちょっと自信ないかも・・・。
「それじゃ、さっそく始めさせてもらうわ」
A美さんは僕の股間を色々な角度から眺めて、描く位置を定めると椅子を少し動かして、スケッチブックと鉛筆を手に取った。
「うん、ここだと迫力のある画になりそうね」
A美さんはウチの漫研では一番画が上手い。
・・・と言うより、まともな画を描けるのはA美さんと部長くらいだった。
あとは女子のひとりと、僕が辛うじて同人レベルで商用に耐えうる画が描ける程度だ。
一応、この4人で同人サークルとして、即売会で本を出してるんだけど、メインはあくまでA美さんの描いている18禁の男性向けエロ漫画。
今回のデッサンも、おそらくその同人誌に活かすためなのだろう。
ただ、その時点でもすでにA美さんの描いてる男キャラのアソコは十分リアルだったと思うけど・・・。
サッサッ。
A美さんは上手いだけじゃなく、描くスピードも速い。
あっという間に一枚描き終えると、場所を変えてまたもう一枚。
A美さんもすごいけど、その間ずっと勃起し続けた僕のペニスも相当なものかもしれない。
メガネの奥の真剣な眼差しにじっと見つめられているかと思うと、萎えるどころか、さらに硬度を増してしまう僕の愚息。
「ねぇ、これをこうやって、上に向かせたままにできる?」
三枚目を描き終えたA美さんは、いきなり僕のイチモツの根元を指で摘んだ。
「ええっ?」
そして、下腹部に張り付くように反り返った勃起をぐいと引き戻し、天井を仰ぐように直立させた。
「指で支えて、このポジションに固定できる?こうすると、オチンチンが剣みたいに見えてすっごく素敵なのよね」
「できることはできますけど・・・」
「ちょっと辛いかな?」
ギンギンに勃起して反り返ったモノを無理やり力で押し返し、直立させようとするんだから、当然痛いと言えば痛い。
だが、我慢できないほどでもない。
「それほど長くなければ大丈夫です・・・」
「ほんと?それじゃ、お願い。なるべく早く終わらせるから。ごめんね、男の子のアソコをじっくり見れるなんて、こういう機会でもないとできないからさ」
「いえ、何でも言う通りにするって約束でしたから」
その頃にはフルヌードをさらす恥ずかしさは、もうほとんど無くなっていた。
ただ、A美さんに少しでも長く見つめられて、少しでも多く触ってもらいたかった・・・。
「あら、ずいぶん協力的じゃない。なんか妙なこと期待してるんじゃないの?」
「いや、そ、そんなことは・・・」
「だけど、ここ、すごい熱持っちゃってるみたいだけど、ほんとに平気?それにドクドク脈打ってるし・・・。いきなり射しちゃったりはないわよね?」
僕の勃起の根元を摘んだまま、ちょっと呆れ顔のA美さん。
「・・・たぶん」
「まあ、いいわ。この一枚が終わったら、終わりにするから。そうしたら、ご褒美上げるから、もうちょっとの辛抱よ」
(ご褒美・・・?)
薄くルージュを塗った肉厚の唇から漏れるその言葉に、僕の心はざわめき立った・・・。
サッサッ。
A美さんが速筆でデッサンに没頭している間、僕はギンギンに勃った反り返りを、指で支えて直立させていた。
たしかにこうして見ると、剣に見えないこともない。
さしずめ、東洋刀、タルウォールみたいなものか――などとヲタっぽいことを考えている内に、A美さんはデッサンを終えてしまった。
「どう、あんたのオチンチン?」
そう言って、描き終えた画を見せる。
「こんな感じなんですか・・・ぼくのって?」
なんか凶器みたいだ・・・文字通り剣のようで、かなり迫力がある。
「いい出来じゃない?カッコ良く描いてもらって、K平も嬉しいでしょ?」
「はぁ・・・まあ」
なんとも返答しがたい質問だ。
「なによ、その煮えきらない態度は。まっ、いいわ。これで終わったから、約束のご褒美をあげる」
A美さんはデッサン用の道具をしまうと、部室備え付けのウェットティッシュで手を拭き始める。
「あの・・・ご褒美って・・・」
「K平が今思ってることよ。クスッ、いつまでソレ持ってるつもり?もう終わったんだから、離してもいいのに」
「あっ、すいません」
A美さんに指摘されるまで、僕はずっとペニスを指で支え続けていた。
なんてマヌケな・・・。
「さて、それじゃ始めようかな」
手を拭き終えたA美さんの白い手が、おもむろに僕のペニスを掴んだ。
「あの、ご褒美ってまさか・・・」
「そっ、わたしがしてあげるってこと」
やはり・・・。
「いやでも、それはちょっとマズイんじゃ・・・」
こういう展開を期待していたこととはいえ、童貞の性か、いざとなると腰が引けてしまう。
「あら、嫌なの?もうずっとこんなにしてるくせに」
僕のチンポがぎゅっとA美さんの手の中で握り締められる。
「あうっ」
「あっれー、なんか透明なのが君の先っぽが出てるんですけどー」
そう言って、A美さんは指先で僕の鈴口に触れる。
「うわーっ、なにコレ、ねばねばしてる~」
僕の先走った粘液をすくい取り、指先で引き伸ばして遊びながら、わざとらしい口調で言う。
「ひょっとして、カウパーってやつかしら、こ・れ」
今度はその指を、僕の鼻先に突きつける。
「ね、ホントにやめちゃっていいのかな?」
細くしなやかな指の先に施された、淡いピンクのマニキュアが僕の出した汁に濡れて、妖しく光っている。
降参だ・・・。
「・・・おねがいします」
もう本能のままにA美さんに身を委ねよう。
今か今かと発射の時を待ちわびてる股間の愚息から送られた信号に、そう僕の童貞脳が判断を下した。
「そうそう、素直になるのが一番よ。今断ったら、後で絶対後悔するんだから。年上で美人な先輩にこんなことしてもらえる機会なんて、エロ漫画の中でもなけりゃ、そうそうないわよ」
(たしかに・・・)
「それに、玉袋ちゃんもこんなにズリ上がっちゃって、もう辛抱たまらないってカンジじゃない」
「だって、先輩が・・・」
「ふふっ、いいから、あとはA美先輩にまかしなさい。すぐにスッキリさせてア・ゲ・ルから」
そう言ったA美さんの声は、今までに聞いたことのない艶を帯びた悩ましいものだった。
「あああっ・・・」
「あははっ、もう気持ちよくなっちゃってるの?まだ始めたばっかだよ」
僕の勃起をゆるやかなストロークであやしながら、アヘアヘと不様に悶える僕を見て、余裕たっぷりに笑うA美さん。
「だめだよ、すぐにイっちゃったりしたら。こんなことしてあげるの今回限りなんだから、ガマンしないと損よ」
しかし言葉とは裏腹に、A美さんはストロークを速める。
「ああ・・・そんなことされたら」
「うわっ、どんどんカウパーちゃんが溢れてくる」
A美さんは鈴口から湧き出す先走りを、指先で撫ぜるように僕の亀頭から茎胴にかけて、陰部全体に塗り伸ばしていく。
二分と経たないうちに、勃起がしごかれるたび、クチュクチュとエッチな音が立ち始めた。
「あははっ、すごい、K平のオチンポってローションいらずだね」
夢中になっているせいか、A美さんの身体が前屈みになり、ペニスに顔を近づけたせいで、彼女の長くてサラサラとした黒髪が、僕の腿や腹にチクチクと当たった。
「ねぇ、やっぱり自分でするのと、わたしにしてもらうのじゃ違うもんなの?」
「全然・・・違いますよ。先輩の手、あったかくて・・柔らかくて、最高です・・」
「ふふっ、そうなんだ。でも、さっきから思ってたんだけどさ、K平ってオナニーのし過ぎなんじゃないの?」
「えっ」
「だってさ、こんだけ大きくてさ、17、8センチはあるよね、コレ。なのに、皮が余ってるなんて変じゃない?みょーに、皮の先の方が黒ずんでるしさ。擦りすぎて、こうなちゃったんじゃないの?」
「そ、それは・・・」
なんとか上手にはぐらかそうにも、ペニスをしごき立てられながらでは、思ったように頭が回らない。
「ひょっとして、一日一回とかしちゃってるわけ?」
「え、ま、まあ・・・」
「やっぱり。それじゃ、皮も伸びるわけよ。童貞君でまだ若いから、毎日したいのは分かるけど、少しセーブしないと、身体に毒よ」
本当は一日一回どころか、毎日二回は当たり前、多い時には三回もしているのだが、それは黙っておくことにした・・・。
「でも、そもそもオナニーってそんなに気持ちいーもんなの?」
「そりゃあ、今みたいに先輩の手でしてもらう方が何倍も気持ちいいですよ・・・。でも、ぼく・・・彼女とか居ませんし・・・」
「ごめんごめん。あはっ、変なこと聞いちゃったね」
悪びれた様子もなく、ぺロリとピンクの舌を覗かす。
こういうA美さんみたいな女性のことを、小悪魔と呼ぶに違いない。
「だけどさ、オナニーする時って、いつも何使ってるの?オカズって言うの?男の子って、エッチな本とかビデオを見ながらするんでしょ」
「まあ・・・だいたいはそうですね」
「ふ~ん、それじゃ、漫画研究会の一員のK平としては、エロ漫画あたりがスタンダードなオカズかしら」
「そうですね・・・、一番多いのは同人誌とか漫画だと思います。いつもってわけじゃないけど・・・想像だけですることもあるし」
(一体何をしゃべってるんだ、僕は?)
その時の僕は、快感のせいで脳ミソが麻痺してしまっていたんだろう・・・。
「へ~、想像だけでねぇ。でも、結局は特定の誰かを頭に思い浮かべてするんでしょ?アイドルとか、身近にいる女の子とか」
「そうなりますね、ゲームや漫画のキャラとかの場合もありますけど・・・」
「つくづくオタク趣味だねぇ、あんたって。ところで、どういうタイプの女の子がK平は好きなの?」
「好きなタイプですか・・・。ええ~っと、性格はちょっと年上のお姉さんっぽい人が・・・」
ズチャズチャと天然のローションの立てる音が、頭の中ではぜて、僕は催眠にかかったように、素で語り始めてしまう。
「それで、見た目は?」
「外見は・・・色白で、髪は染めてなくて・・・ストレートで、できれば肩より下まであるロング。あとは胸が大きければ言うことないです」などと、本音を言ってしまった僕・・・。
「なるほど・・・。って、それ、まんまわたしに当てはまるじゃない」
「えっ」
しまった、と思ったがもう後の祭りだ。
「いや、そ、それはですね・・・」
「コラ、正直に言いなさい。K平、あんた、わたしをオカズにオナニーしたことあるでしょ」
「す、すいません」
告白してしまうが、その頃、恋と言わないまでも、それに近い感情を、僕がA美さんに対して抱いていたのは事実だ。
というのも、バイトをしていなかった僕にとって、ふだん接する機会があるのは、漫研部員の女子3人のみで、自分のことを棚に上げて言わせてもらえば、その中でもA美さんを除く2人は、ルックス的に恋愛の対象にはなりにくく、A美さんに気が向いてしまうのはごく自然な流れだった。
控えめな化粧とファッションのせいで、パッと見は地味な印象があるが、鼻筋の通った色白な顔はよく整っており、彼女は十分美人の範疇に入るだろうと思えた。
すくなくとも、当時の僕にとってA美さんは憧れの人だった。
「あっきれた。まさか、こんな近くにわたしをオカズにしてる人がいるなんて思わなかった」
「もうしわけないです・・・」
A美さんは右手で僕のモノを握ったまま、軽蔑の眼差しで僕を見ながら、左手でメガネの位置を直す。
(すいません、先輩。メガネっ娘属性もあったりします・・・)
「まあ、いいわ。今回は、可愛い後輩のしたことと思って、許してあげる。だけど、今度またわたしをオカズにした時は、ちゃんと報告するのよ」
「ほうこく・・・?」
「そうよ、だって漫画やビデオを見るにはお金を払わなけりゃいけないでしょ。だからそれと同じで、わたしを使って勝手にいやらしいことをしたんなら、お礼の一言でも言ってもらわないとね」
再びしこしこと勃起をさすり始めながら、意地悪な視線で僕を見ながら言う。
「は、はぁ・・・分かりました」
さすがにショタ系の同人漫画を多数描いてるだけに、A美さんにはかなりSっ気があるようだった。
「ふふふっ、今までオカズにしていた女に、こんなことされるのってどんな気分?」
「さいこう・・・ですよ。先輩に・・・こんな・・・。ああっ・・・も、もうぼく・・」
僕の下半身は小さく震えはじめ、徐々に感覚を失いつつあった。
「ガマンできなくなっちゃった?いいわよ、いつでも射しちゃって。もう十分、わたしの右手を楽しんだでしょ」
さらに激しくクチョクチョと、まるでソーセージでもこねるみたいに僕のペニスをしごくA美さん。
「ああっ・・・せんぱい・・すごい」
「もうガマンせずに、イっちゃっていいのよ。ほらほら、力んでないでリラックスして」
緊張をほぐすように、A美さんは左手で僕の下腹部や腿を撫でさすって、射精をうながす。
そして、まもなく・・・。
「あああっ・・・!」
僕は限界を迎えた――。
ビュクビュク――。
初めてオナニーした時に感じた、まるで腰から下が自分の身体じゃなくなるみたいな快感。
正確な時間は覚えてないが、いつもと比べるとかなり長い間、僕は射精を続けた。
その日の前日の遅くに実家から帰って来たばかりのせいもあって、丸三日熟成させていた濃厚なスペルマを所構わずぶちまけた。
「きゃっ、すごいっ。K平、ちょっと勢いありすぎ。あちゃー、マフラーにもべっとり・・・」
僕は、ブランケット代わりに先輩がお腹に掛けてくれていた赤いマフラーにも、濃いのをたっぷりブッカケてしまったようだった。
「ご、ごめんなさい」
「いいわよ、気にしなくて。そろそろ洗濯しようと思ってたとこだし。それより、ずいぶん濃い~の射したみたいだけど、ずいぶん溜めてたのね」
「はははっ・・・」
A美さんはマフラーを取って脇にやると、ウェットティッシュを一枚引き抜いた。
「あっ、ぼく自分でやりますから」
射精後の心地よい倦怠感の中、身体を起こそうとすると・・・。
「いいから横になってて。わたしが拭いてあげるから。男の子って、イったばかりの時は身体動かしたくないでしょ」
そう言って、A美さんは僕の白濁まみれのイチモツの掃除をし始めた。
「あはっ、まだちょっと出てるね」
憧れのA美さんに手コキで射精させてもらったあげく、精液で汚れたチンポの後始末までしてもらえるなんて・・・。
丁寧な手つきで丹念にペニスを清拭してもらいながら、僕は夢心地だった。
「あっれ~、なんかまた硬くなってきてない?」
「あ、す、すいません・・・」
三日も射精していなかったこともあって、先輩に拭いてもらっている間に、僕の愚息はまたすぐに元気を取り戻しつつあった。
「ふふっ、こんなだけ元気があるんなら、K平もデッサンしてみる?」
「へっ?」
「今度はわたしがモデルになってさ」
えええっ――!
とりあえず完結・・・。