葬儀の夜に

中学2年を終えた春休み祖父の葬式に参列する為、関西から東北まで行きました。

まだ新幹線も開通しておらず、かなり昔です。
大勢の人が集まり、大人達は話が弾みなかなか寝そうになく、僕は促されて言われた部屋に入りました。
若い女の子が一人向こうを向いて寝ていましたが豆灯の灯りでは顔は判りません。
真冬のように寒く、布団に入っても震えが止まらずにいると「寒い?」と声が掛かりました。

「うん、寒い、そっちへ行っていい?」

うんと頷いたので彼女の布団に潜り込みました。

浴衣の寝巻の下は素肌でした。
(昔の東北では素肌の方が温まると言って、祖父はすっぽんぽんで寝ていました。)



背中に体を擦り付け乳房に腕を回しているうち振り向き抱きしめてきました。
僕も夢中になって抱きしめました。
貪るように唇を合わせ、すぐに舌をお互いの口に差し入れ舐め回しました。
陰部に手を触れようとすると拒み、せめぎ合ううち大人が入ってくる気配に離れました。

彼女は住み込みの従業員で、翌朝、朝食の給仕をしてくれましたが全く無表情でした。

中学を出たばかりで、僕より2つ3つ年上でしたが物もろくに言えないような純情な子だったのでしょう。
一言も交わさぬまま去り、その後会うこともありませんでしたが、どんなHより心に刻まれる初体験です。