友だちもできないような童貞と処女の初体験

大学時代、よくゼミで一緒になる女(まゆみ)がいた。
お互い友達がおらず、独りぼっちの時が多かった。
たぶん、僕と同じで田舎から出てきた感じで、ブサイクではなかったけど、化粧っ気もなくて地味で目立たず、周りの子に比べれば断然落ちる感じだった。
僕も似たようにファッションに鈍感だったので、何となく親近感を感じていた。
それでも挨拶をするくらいで、会話もなければ、ゼミの教室以外で会うこともなかった。

それから月日が流れた。
学校は面白くないし、親からの仕送りもなくバイトだけでは無理が出てきたのもあって、辞めようか悩んでた。
親に言う前にまゆみに相談してみようと思って、帰り際に誘ってみた。
学校の近くの喫茶店でそのことを話すと、「私も辞めようか、いつも悩んでた」と逆に打ち明けられた。

「どうするの?」って聞いたら、「わからない」って。

僕も「どうするの?」って聞かれたけど答えられなかった。

それから居酒屋に行く流れになって、飲んでるうちに恋人の話になって、お互い童貞と処女だとわかった。
2人ともかなり酔ってきてて、「好きってわけじゃないけど、ずっと気になってた」って話をしたら、「私も・・・」って。
気付いたらホテルの部屋にいた。
話すこともなく、気の弱い友達もできないような童貞と処女がそれ以上進むことはなく、眠りに就いていた。

ふと尿意で目を覚ますと、まゆみは僕の胸に顔を乗せて寝ていた。
動くと起こしそうだったが、漏らしたら困るので起こさないようにそっと起き上がった。
トイレから戻ると、まゆみは髪を乱してベッドに座ってた。
なんか気まずい雰囲気だったけど、さっきまで寝ていたところに戻ると、「抱いて・・・」と抱きついてきた。
でも僕はこれ以上何をしていいのかわからず、まゆみの肩を両手で掴んだままだった。
お互い無言で、10分か、20分か、30分か、長いような短いような時間が流れた。

「ねぇ、お願い。私にこれ以上言わせないで」

「あ、う、うん」

上擦ってかすれた声だった。
僕はまゆみの顔を上げて、震えながらキスをした。
舌を入れるタイミングなんか判らなかったから、とにかく口を押し付けた。
彼女も僕と同じような感じだった。
2人ともすごく緊張していた。
呼吸をするのも忘れて押し付け合ってた。
苦しくなって慌てて離れて、2人ともゼーゼーしてた。
そのとき初めて「クスッ」と笑った。
それでだいぶ緊張が解けた。

でも何をしていいのか判らなかったから、ブラウスのボタンを外してブラジャーを取った。
スカートを脱がせて、パンストを下ろして、恥ずかしがるまゆみの手をどけてパンティも脱がせた。
僕がまじまじと見ていたら、「恥ずかしい」と言いながら手で覆って隠した。



「私だけ裸じゃ恥ずかしい」

また、ぼそりとまゆみが言った。
慌てて僕も服を脱いで裸になった。
全裸のまま抱き合った。
どこをどんな風に触っていいのかも判らなかったので、とにかく胸を撫でた。
手のひらで乳首がコロコロ転がるような感じになって、続けているとまゆみの口から喘ぎ声が出てきた。
感じてるのかと思って続けていると、「こっちも」って手を引かれてアソコに持っていかれた。

ヌルっと濡れてた。

ヌルヌルするところを適当に触ってたら、僕の腕をぎゅっと握ってきて、「あん、あぁん」って喘ぎ出した。

「気持ちいいの?」って聞くと、恥ずかしそうに「うん」と頷いた。

まゆみの反応に僕は興奮してきてしまって、痛いくらいに勃起してきてしまった。
フェラチオをさせたかったけど、何て言っていいか判らなかったので、「入れていいの?」って聞くと、また頷いた。
枕元にあるコンドームを被せてから、まゆみの中に入れた。
まゆみは「うっ」と呻いたけど、意外とすんなり入ったと思う。

「痛い?」と聞くと、また「うん」と。

「動くよ」って聞くと、また「うん」と。

本当に大丈夫なのか判らなかったけど、もう動くしかなかった。
ゆっくりするつもりだったけど、気持ち良くなってだんだん速くなってしまった。
僕はキスしたり、おっぱいを揉んだりしながらぎこちなく腰を振った。
緊張のせいかなかなかイカなかった。

結局、イクことができずに小さくなってしまった。
ふとまゆみを見ると、下唇を噛んで涙を流していた。

「ごめん、痛かった?」と聞くと、首を振った。

なんかまた気まずいような雰囲気で、2人とも無言だったけど、まゆみは腕枕するみたいに潜り込んできた。
僕は、まゆみの頭を撫でてたけど、またいつの間にか眠ってしまっていた。

起きた時、まゆみは着替えてソファーに座ってた。

「いつまで寝てるの?もうお昼だよ」

まゆみは笑顔で言った。
僕たちは手を繋いでホテルを出た。

2人とも何も言ってないけど、たぶんそれから付き合い始めた。
教室では今まで通りだけど、何週間かすると一緒に住むようになった。
僕たちがまた結ばれるようになったのは、それからだった。
お互い確かめるように、ゆっくりゆっくり時間をかけてしたのを覚えている。

大学を卒業した僕は、有名でも大きくもない会社に就職した。
まゆみも就職したけど、3年後には僕の子供を妊娠して会社を辞めた。
今は3人の子供を産んで育てている僕の奥さんだ。

あの時、まゆみが相談に乗ってくれたことを今でも感謝している。