週に1度のフラのレッスンを終えての帰り道、駅の雑踏の中で、不意に後ろからポンと肩をたたかれた。
「さわちゃんじゃないか」
振り返ると、それは裕二さんだった。
白状しますけど、裕二さんは結婚前、私がまだOLをしていた頃に同じ会社にいた方で、その頃私と彼はお付き合いしていました。
もちろん肉体関係も何回かありました。
いわゆる元彼です。
「本当に久しぶりだね。元気かい?」
「もう、6年になるわね。今は?」
「今、アメリカ勤務なんだ。これでもロス支店長だよ。本社で会議があるんで帰って来たんだ」
「あら、ウチのもアメリカ勤務よ。今はオハイオにいるの」
「こりゃ、奇遇だ。じゃ、オレとさわは、淋しい一人暮らしってわけだ。ハハハ」
「イヤねぇ・・・淋しいって、なんのことかしら」
とりとめのない話をして別れた次の日、裕二さんから電話があり、食事でもしようということで、私は出掛けました。
着替えをするとき、私はタンスの奥から淡いピンクのセクシーな下着を取り出して身に着けました。
主人に対する後ろめたさと、これから起きるかもしれないアバンチュールへの期待が混じり合っていました。
彼が投宿しているホテルのレストランで食事後、私たち二人はそれが当然のように並んでエレベーターに乗り、彼の部屋に入りました。
二人でバスに浸かって、私は素っ裸のまま彼に抱かれてベッドに横たえられました。
裕二さんは私に覆いかぶさり、私の唇にキスしたあと、目、おでこ、首筋、肩、胸にと唇を移動させて行きます。
硬くなった乳首に彼の舌が触れたとき、私は思わず呻きました。
お股の合わせ目が濡れているのが分かりました。
彼の唇が全身をくまなく這い回った後、私は両脚を拡げられ、あの恥ずかしい部分に彼の舌が触れたとき、私の全身を電流のようなものが走りました。
思わず声をあげました。
彼が入って来ました。
私はもう、夢中になって彼にしがみつき、両脚を彼の腰に絡めて持ち上げ、持ち上げしていました。
やがて頂点が近づき、二人はほとんど同時に果てました。
彼のほとばしりを体の奥に受け止めたそのときになって私は、その日がもっとも危険な妊娠可能日であったことに気づきました。
もう、手遅れです。
しかし、私は半ば開き直った気持ちで、彼の背中に爪を立てて掻き毟りながら、久方ぶりの絶頂を味わっていました。