彼と会うのは今日が初めて。
初めて会った印象は、(優しそうな人だなぁ)だった。
今までネットで知り合った人と何人か会ったけど、あまり第一印象の善し悪しは関係なかった。
けれども私も敦も照れくさそうに顔を見合わせたとき、何となく幸せを感じた気がした。
その日は私が海に行きたいと言っていたので、海に連れて行ってくれた。
車の中での話はまあまあ弾んでいたけど、彼の横顔を見ていることが多かった。
ふとした時に見せる彼の表情を沢山見ておこうと思ったからだ。
好きな表情を沢山見つけて、私の敦に対する感情はネットで繋がっているときと変わることがないことを確かめた。
私も彼も平静を装っていたけど、私の顔は真っ赤だっただろう。
けど、敦の優しさや笑顔がすぐそこに存在することが幸せだった。
敦もきっと恥ずかしかったと思うけど。
海沿いを歩いたとき、初めて手を繋いだ。
恥ずかしくて、手と手の間が汗で湿ってしまった。
それでも私は敦の手を離したくなかった。
帰りの車の中で「楽しかったね」とか話しながら唇を合わせてみたりする。
彼の舌が私の口に入って来る。
そして彼の手は私の胸へと伸びていく。
辺りは真っ暗で、2人だけの時間が過ぎていく。
車の中には唇を合わせた私と敦がいて、ねちゃねちゃという音だけが響いていた。
私の胸を揉みしだく敦。
最初は優しく、だんだん激しく。
そのうち、ブラの中に手を入れてきた。
私の突起は少し硬くなってきていた。
敦はそれを弄ぶようにクリクリと指で弄る。
「んっ・・・」
私の中で突き抜ける快感が走った。
敦が舌を求めてくる。
彼の舌の動きが激しい。
(あぁ、敦も興奮してるんだ・・・)
そう思うと、指の当たっているところが余計に敏感になっていった。
(Gパンじゃなきゃ良かった・・・)と後悔したのは、敦の手がチャックを下ろしたときだった。
初めてなのにこんなことしていいのかと思うけど、本当に敦が好きでたまらない。
だから、敦が私を求めてくれることが嬉しかった。
何もかもが初めてで不安だったけど。
「沙也加・・・」
いつからか彼は私のことを名前で呼ぶようになっていた。
まだ呼ぶことが照れ臭いのがわかる。
そうして敦の手が私の柔らかいところを下着の上から軽く撫でた。
その瞬間、そこが疼き始めた。
クニクニとだんだん彼の手が動きだす。
「やっ・・・」
思わず声が出た。
「嫌なの?」
彼が聞いた。
「嫌じゃない・・・よ」
私は彼を見つめて言った。
敦は視線を逸らせた後、躊躇い気味にこう言った。
「触っても、いい?」
少し抵抗はあったけど私の体は正直だ。
下着が濡れ始めている。
きっと敦も気付いているだろう。
私はこっくりと頷いた。
すると敦の指が横から滑り込んできて、まず私の湿りを帯びたところに触れた。
“くちゅ”という音がした。
私は声にならない声が漏れた。
「濡れてる・・・」
そう敦は言って私の顔を覗き込んだ。
私は恥ずかしくてまともに向けなかった。
敦の指はそこから上に擦り上がっていく。
そして・・・。
(!・・・)
私はあまりの快感に驚いてしまった。
息遣いも速くなっていた。
彼の指がアソコを愛撫する度、びくんびくんとものすごい波のようなものが体を走っていく。
「はぁっ・・・」
頭がぼーっとして声が抑えられない。
アソコがびくびくし始める。
そして指はぬめりのある入口に戻っていた。
「入れてもいい?」
彼は耳元で言った。
私は朦朧とする中で頷いた。
その瞬間、ぞくぞくとした感覚が私を襲った。
敦の指は私の中を隈なく調べるように奥へ進んでいく。
快感の波は止め処なく私を包んでいた。
奥まで行き着くと、今度はゆっくり抜けていく。
(あれ・・・?)と私が油断しているうちに、すぐまた奥まで入り込む。
「あぁ・・・」
ぐちょっ、ぐちょっ、と出し入れが繰り返される。
そしてそれはだんだん速くなっていった。
ふと動きを止めて、「触って」と私の手をトランクスの上から硬くなったモノに当てた。
私はとりあえず握ってみる。
敦は手を持ち、『こうして』と言うようにしごき始める。
私がその動作を続けていると、また激しく私の中で動き始めた。
「あ、あ・・・」
声も微かに出るくらいだった。
快感はどんどん高ぶっていく。
「2本、入れていい?」
指の動きを遅めて彼が言う。
また私は頷くだけで、ずぷずぶと2本の指が入ってきた。
「はっ・・・」
さらに激しいピストン運動を始める彼。
下着はぐしょぐしょになっていた。
私も手の動きを強める。
ビリビリとした感覚が腰の辺りで留まっていた。
と、だんだんゆっくりとした動きに変わって指が抜けていった。
私の手も掴んだまま止まる。
「気持ち良かった?」
「うん・・・」
なんとなく嬉しい気持ちの方が大きくて笑顔になっていた。
「早く一つになって沙也加を感じたいよ・・・」
敦は私を抱き締めながら言った。
次に敦に会ったのは私の学校が終わった後だった。
その日はちょうど予備校の日。
10時前まで一緒にいれると、予備校を休んで敦と会うことにしたけれども、結局一緒にいられたのはほんの少しだったと思う。
ただ時が早く感じただけかもしれないけれども。
車の後部座席で2人並んで座った。
敦の手が私の肩に掛かる。
「・・・大好きだよ」
そう言って敦が唇を重ねた。
長いキスではなく、何度も求め合うキス。
だんだん2人の息が荒くなってきた。
敦がそっとブラウスの上から胸を撫でる。
相変わらず私と敦の舌は絡まったり離れたりを繰り返していた。
そのうちにボタンが外されて、水色のブラが露わになる。
敦は隙間から手を入れて、きゅっと乳房を掴んだ。
びくんと私の体が揺れる。
そして彼の優しい愛撫で包まれた。
今日も彼のモノはトランクスの中で窮屈そうにしていた。
そっと手を伸ばして触れると、とても熱くなっていた。
それを一定のリズムで動かす。
彼の手の動きが強くなった。
敦の唇が離れたとき、手の動きも止まった。
そして視線がぶつかって私はドキっとした。
彼の口から次に出た言葉は、「キスマーク付けたい」だった。
「だめだよね?」
敦の視線が離れた。
私は首を横に振って、「付けて・・・」と言った。
それが敦に愛されている証になる、私はそう思った。
「いいの?」
私はコクりと頷く。
敦の顔が私の首筋に近付いていった。
唇が触れた時、思わず声が出そうになった。
きゅっと吸われる感覚がある。
快感が走る。
キスマークは一つ、二つと増えていった。
敦と体を合わせることになったのは、3回目に会ったときだった。
平日の昼間。
私は学校を休んで寝ていた。
体の具合は悪くない。
敦は夜勤明けだった。
家には私1人。
急いで私のうちに来てくれた。
敦はキスをして、沢山の愛撫をして、大事なところを十分に濡らした。
「きれいだよ」
私の裸を見て彼が言う。
くさい台詞だけど私は嬉しかった。
それに、なんとなく処女で良かったと思った。
敦の舌が私のクリトリスに愛撫するたび、たくさんの愛液が私から溢れ出すのがわかった。
敦の指が出入りするごとに私の体は快感で震えた。
「痛かったら言って」
それが始まりの合図。
敦はもう我慢の限界というところだった。
長い時間愛撫していたにも係わらず、硬く熱くなっていた。
おもむろにゴムを取り出すと、慣れた手つきで付けていく敦。
私の中に指を入れて濡れ具合を確認してから、私に覆いかぶさり、先を宛てがった。
私に激痛が走ったのは先が入り込んでからだった。
「いたっ・・・」
とっさに抜く敦。
「じゃあもう1回」と、先が濡れたところに付く。
「痛いよ、痛い」
またも少し入ったところで断念。
もう今日はやめようかと決めて下着をつけようとした、その時。
「最後にもう1回だけ・・・」
敦が私を抱き締めながら言った。
「ん・・・」
(痛いけど、敦のためだもん。がんばらないと・・・)
そのまま私を横にして髪を撫でる敦。
「少し我慢してね」
そう言ってまた覆いかぶさってきた。
硬いモノが当たる感触がある。
私は敦の方を見た。
敦はゆっくりと挿れようとしていた。
ふと不安げな私を宥めるかのようにキスをしてきた。
「いくよ・・・」
つぷっと音がして頭が入り込んだ。
(痛い・・・)
そう思った瞬間、ずぷずぷと一気に敦の全てが私に挿し込まれた。
「うぅ・・・」
敦を感じる。
私の体がビクビクしている。
気持ちいい。
中にいるだけなのに感じてしまう。
敦を締めつけているのが分かった。
「痛い?」
彼が聞いた。
私が黙ったまま敦の存在を感じていると、急に腰を浮かせて抜けていき、また入り込んでいく。
「痛い、いや、いや」
あまりの痛みに布団の端を掴んで首を振った。
敦はゆっくり抜くと、私を横から抱き締めた。
「今度はきっと気持ちよくなるよ」
私は、「うん」と頷いた。
まだ初体験をしたという感覚はなくて、頭がぼーっとしていた。
ただびっしょり濡れているシーツを見て、(母にバレないかなぁ?)という不安だけが残った。