スペック
弟、大学生、20歳。
あたしは近くにアパート借りて住んでるので実家は父、私、弟、祖母の三人暮らし。
うちは家庭の事情で母は昔からいないので、婆ちゃんと私、父、弟で生活していた。
婆ちゃんっ子&シスコンのため、弟はかなりの甘ったれに育ってしまった。
でもなんだかんだで三流大学に入学し、それなりにキャンパスライフを楽しんでいるらしく、私は私で独立して彼氏と半同棲しているため、たまに連絡とるくらいの関係になっていた。
弟が2か月ほど前の夜中、突然訪ねてきた。
弟:上がっていい?
私:どうした?急に。
弟:いや別に大した事じゃないんだけど。
とりあえず、部屋にいれて話を聞こうとするも、同棲している彼氏の存在を気にしてなかなか話そうとしない。
彼氏が気を使って隣の部屋へ移動。
ようやく弟が喋り出した。
弟:なんかー、すっげーウザい女がいてー…。
弟は高校デビューのDQNで、喋り方がいきがっていてめっちゃうざい。
今回も、エアリーな髪をいじりながらうざい喋り方で喋りだした。
弟:大学の友達繋がりで知り合ったんだけどー凄いエロくてーまあ、何回かSEXしてー(えりあしをいじっている)。
私:その、髪いじりながら喋るのやめれ。んで?(あー。やな予感する)
弟:いや。したらー妊娠したとか言われてー(涙ぶわっ)
弟、いろんな感情入り混じったのかスイッチ入り女子みたく泣き出す。
しばらく泣いたところ見てなかったが、相変わらずの甘ったれの最低野郎という事を再確認。
私:よーするにセフレを妊娠させたって事?あたしに頼ってくるって事は、お金を請求されているの?
こいつは昔からそう。
高校時代DQNに絡まれた時、万引きして家に連絡来た時、キセルした時、婆ちゃんのマッサージ器壊した時、etc…挙げたらきりないが、何度も何度も私に泣きついてきた。
そしてその都度、助けてきた。
ちなみに関係ないかもしれないが、住まいは地方都市で、DQN率は限りなく高い。
妊娠させた、セフレどーのこーのっていうのは、悲しいかな周りでもよくある話で、お金で解決できる話なら姉としては解決したかった。
ちなみに、さらに関係ないかもしれないが家族スペック。
私→22歳。
地方都市のキャバ嬢兼ショップ店員。
頭悪い。
父→工場勤務の典型的な労働者。
夜勤とかある。
斉藤洋介に似てる。
祖母→母方の祖母。
東海林紀子に似てる。
デブ。
弟は前述の通り三流大の20歳。
顔は良いがひたすらヘタレ。
見かけは関ジャニの横山なんちゃら。
中身はサバンナ高橋。
弟:いや。なんか産みたいって言われてー。一緒に育てよって。
私:その気あるの?
弟:ない。そいつ俺の友達とか皆とやってて。てか友達から聞いたんだけどどそいつデリやってて。ほんとに俺の子供なのかよとか思って。
私:……………。
我が弟ながら情けなさ過ぎて言葉が出なかった。
時間も時間だし、これ以上話を聞いていたらぶん殴ってしまいそうだったので一旦帰らせた。
弟帰宅後、彼氏が隣の部屋から
「いや~まいったねー」
と言いながら出てきた。
ちょっと嬉しそうな顔しながら出てきた。
次の日、彼氏、弟ともう一度集合した。
・今、何週目なのか?
・弟は中に出したのか?
・ほかの友達は中に出したのか?
を弟に聞いた。
すると、手帳を取り出してチェックし始めた。
そーゆーとこが女子っぽくてムカつく。
弟:SEXしたのはこの日とーこの日とーあ、間違った。この日は生理だから咥えてもらっただけだった。
彼氏、飲んでたビールを吹き、私はついに弟を殴った。
弟:ねえちゃん~。
彼氏:まあまあそういう事ってあるよね。(ニヤニヤ)でも、生理がいつきたか分かってよかったじゃん。
私:ねえちゃんは情けない……。
弟:ごめんって。
でもとりあえず、デリさんの生理開始日が分かったため、(セクロスの途中で生理きたらしい)28周期と予想して、妊娠したであろう日を計算してみた。
ちなみに、弟曰く中出しはしていないという。
その間、弟に友達に連絡させ、セクロスした日を調べさせた。
弟は計6人に連絡していた。
何だか、同じ女性として悲しくなってきた。
結果、中に出した人2名。
生だけど中出ししていない人3名。
ゴムつけた人1名でした。
さすが、三流大。
こいつら、性病なったらどーすんだろ。
そして、計算はあくまで予想なのですが、うちの弟の子供という可能性は限りなく低いのではないだろうかと。
ちょっと安心した姉ちゃん。
でも、今までニヤニヤしていた彼氏がとある事に気付く。
仲間内6人とそれぞれ、満遍なくセクロスして妊娠したと言ってきたのは弟だけ。
という事は、弟はデリさんの中では特別な存在だったのだろうと。
だとしたら、誰の子供とか関係なく責任は弟にあるのではないかと。
今まで、面白半分で首突っ込んでいたくせに急に真面目になる。
確かに、うちの弟の子供かどうかは別としてやはり男としてどういう形にしろやってしまった事の責任は取らなければならない。
ただ、姉としてやはり好きじゃない女の子と結婚とかはして欲しくないと思った。
身勝手な考え方だけど。
んで、もう一度デリ子さんに、連絡をとり会って話すように弟を諭す。
もうこの際、同じ大学の仲間5人の事には触れるなと。
お金の心配はするなと。
その代わり誠心誠意デリ子さんに謝れといった。
弟また、泣き出す。
彼氏は言いたい事だけいってウイイレ。
2日後に弟からまた連絡がきた。
まとめると、デリ子さんは産みたいんだそーだ。
でも、一人では育てられないから一緒に育ててほしい。
要するに結婚してくれと。
うーーーーん。
もう、私お手上げです。
しかもデリ子さん未成年だとい事が分かった。
うちの父と私、弟、デリ子さんの親、デリ子さんとで話し合いをする事に。
とりあえず、実家に行き事の全てを父に報告。
婆ちゃんは、びっくりして寝込まれたら嫌だから言わなかった。
ちなみに、報告するのも私。
弟は隣でモゾモゾ。
普段から穏やかな父ですが、あまり驚きもせず
「そうかそうか」
と。
そんで、日曜日両保護者と本人達とで話をする事になった。
うちはあんまり立派な家じゃなかったので、向こうの家に出向くって言ったらすんなりOK。
そんで、向こうの家に三人で行きました。
結構山の方だったんだけど、行く道中嫌すぎて
「あー。吐きそう」
とか言ったら、弟が1口ゲロかましやがって。なんでこんなに肝っ玉小さいのに生でセクロスとかできるんだよ。と心の中で突っ込んだがお父さんが運転していたのでやめといた。
デリ子さんは、お父さんと二人暮らしだそうで、五人で面談。
デリ父と対面。
うちの父と同系の労働者系。
デリ父は娘と弟が付き合ってない事は知っていて、でも娘はこれを機会に産んで結婚したいと思っていると認識しているようだ。
デリ父には何人もと同時期に関係を持っている事は言わないでおいた。
ってか話が前後しますが、最初デリ子がなかなか出てこなかった。
しばらくしてデリ子登場。
デリ子と初対面。
思わず下から上までまじまじと見てしまったよ。
そんでデリ父がデリ子に
「お茶を出せ」
って言ってデリ子が2Lのペットボトルの「おーいお茶」をどんって茶の間に置いてガラスのコップにドボドボドボって注ぎ始めた。
うちもずっとお母さんいないけど、婆ちゃんが色々教えてくれなかったら私もこんな感じだったのかなと思ったら淋しい気持ちになった。
デリ子が常識ないとか、父子家庭馬鹿にしてるとかじゃなくて、何か足りないものを埋めようとして誰かに頼りたかったのかなとか………。
あー。
言いたい事が上手く言えないけど、ペットボトルのお茶をデリ子がお客(うちらが客と思われていないのかもしれないど)にどんって出した瞬間に何だかデリ子が他人と思えなくなったのですよ。
「あたし産むからね!!」
デリ子が吠える。
弟は、もう一度吐くんじゃないかというくらい顔が青い。
皆黙っちゃって、でも
「あなた他の人ともやってるよね?」
とは言えなかった。
デリ父の前でそれを言ったらダメだと思ったし、多分デリ父は、それを知ってそうだった。
何ならデリをやってる事も知ってるのではないかな。
それで、どーしていーのか分からないみたいな感じなのかな。
と。
だってうちの弟の事全然怒らないんだもん。
もうダメだなーって感じだったので、デリ子と二人で私が話す事にしました。
そんで、外の庭みたいなところで話をして、デリをやってる事、6人と関係を持っている事は全て知ってると言いました。
デリ子さんはしばらく黙りましたが、泣き出して
「どーしても弟と付き合いたかったので違うおやじに中出させて子供を作った」
と打ち明けました。
でも、
「もう結婚できないと分かったからもういい」
と言われました。
そして
「あんたキャバ嬢なんでしょ。私みたいなデリとかやってるやつは軽蔑してるんでしょ」
と言われました。
怒りとか悲しみとか色んな感情が出てきましたが、色々言うとデリ子の事を上から目線で罵倒しそうだったので
「うちの弟をそこまで好きになってくれてありがとう。でも、大事な命を何かの取引に使わないで」
と言いました。
わあっとまたデリ子が泣き出し、決まった!と思ったww
ほんとは昔みた
「きらきらひかる」
ってマンガのパクリなのだけどw
よく、別れるんだったら死んでやるとか、金持ちの彼氏を逃がしたくないから子供作ってデキ婚に持ち込むとか言ってる同僚を諭す時に、自分の言葉のようにえらそーに使ってます。
そんで、とりあえず茶の間に戻り、おろす事になった事を報告。
お金は折半で和解?した。
そんで帰り際、弟も父もいたのだが、デリ父がいなかった時に、デリ子に
「何でうちの弟が良かったの?」
と聞いたら真顔で
「一人だけクンニしてくれたから」
と言われた。
そそくさと家に帰った。
帰り道、道の駅が近くにあって急にお父さんが
「ソフトクリーム食べよう」
と言い出した。
姉弟ともに嫌だったが今日一日お父さんにかけた迷惑を考えると悪かったので
「いいよー」
と言って、道の駅の眺めのいいとこでソフトクリーム食べた。
父「○○(弟の名前)とりあえず、今回はまああれだな。まあ、これに懲りて真面目に。。うん。。まあ、若いしお前は母ちゃんに似て見かけだけは良いからな。。うん。でも、自分のちんこ大事にしろよ」
弟「は?」
父「自分のちんこ大事にできる奴は相手の事も大事にできるぞ」
弟「あ。はい」
あたしも自分のまんこ大事にしようと思った。
そして父は続けた。
「あとな、自分のちんこにプライドを持て。相手の見て父ちゃんびっくりした」
弟「。。。。」
私「。。。。」
そう。
デリ子のスペックに対して薄々気づいていたとは思いますが、まあ、あの、あんまり可愛くないというか…って感じなのでした。
父は遠回しにそう言いたかったのでしょう。