高校に入学して、同じクラスにすごく格好良い人がいました。
背が高くてスポーツ万能、優しくて勉強も出来て、顔もきりっと整っていて格好いいんです。
もちろん中学校の頃からモテモテだったようですが、高校に入ってさらに磨きをかけてモテていました。
当然、私も好意を抱いていました。
実は私もよく告白される方で、高校に入ってからすぐに何人かの人に「付き合ってくれ」って言われました。
その度に「好きな人がいるから」と断ってきました。
もちろん、好きな人とはその彼です。
彼とは同じクラスだったので、知らず知らずのうちに仲良くなっていました。
いつのまにか下の名前で呼び合うようになり、友達以上の関係になっていました。
友達からは、
「付き合ってるの?」
とよく聞かれました。
「ううん、全然そんなんじゃないよ」
と言ってましたが、心の中では早く彼女になりたい一心でした。
そして期末試験の時期になりました。
試験日の前日の放課後、私は友達数人と図書館で勉強していました。
すると、彼が1人で図書館にやってきました。
彼は図書館を見回すと私達のグループに近づいてきて、
「ちょっと仲間に入れてくれる?」
と言い、椅子を並べて私の隣に座り、
「明日の数学の問題ってどのへんが出るの?」
彼は聞いてきました。どうやら一緒に勉強したいようでした。
彼は勉強出来るのに授業を真面目に聞いておらず、一夜漬けで十分だと言っていました。
私は彼にこの辺が出るよと教え、問題と解き方も教えてあげました。
しばらくすると、女友達が気を利かせて先に帰り始めました。
笑顔で
「頑張ってね、ゆうか」
と言っていたのが気になりました。
いつの間にか2人きりで勉強をしていました。
でもこの雰囲気がとても良く、甘い空気が流れていました。
このまま時間が止まればいいのに・・・とさえ思ってしまいました。
でもそんな夢のような時間も過ぎ、あっという間に閉館時間になってしまいました。
彼はギリギリまで粘りました。
閉館時間が10分程過ぎ、皆下校した後、先生が
「早く帰りなさい」
と注意にきて、やっと
「帰ろうか」
と言いました。
私もしぶしぶ頷きました。
2人きりで図書館から下駄箱、自転車置き場にゆっくりと歩きましたが、なぜか2人とも無言でした。
私は
「彼に告白するなら、今が最大のチャンス」
と思っていましたが、やっぱり恥ずかしくて、言い出せません。
自転車置き場で、自分の自転車を探していると、突然彼が私の手を握って、
「あのさ・・・」
とぽつりと言いました。
急に手を握られて、真剣な顔の彼を見ると、もう心臓がバクバクして破裂しそうでした。
何事!と思うまもなく、彼は今度は私の身体を抱き寄せました。
私は彼と抱き合う形になりました。とても大胆な行動でした。
学校の自転車置き場で抱き合うなんて・・・・。
彼は私の耳元で
「好きだ、付き合って欲しい」
と呟きました。
この言葉は一生忘れません。
他の人にとっては普通の一言に聞こえるかもしれませんが、私にとってはあの雰囲気と、声と、全てが記憶に焼きついたままです。
私は天にも登れるくらい嬉しかったです。
私は「はい」と頷きました。
そして彼の背中を抱き締めました。
初めて男の人と抱き合ったのですが、なんかもう彼から離れたくない。そんな気持ちでした。
とても安心できて、落ち着きました。
そのまましばらく抱き合っていました。
しばらくすると、彼の体が離れたかと思うと、彼は顔を近づけてきました。
え?いきなり?と思いましたが、私も目を閉じて彼とキスを交わしました。
付き合い始めてすぐにキスまでするなんて、ちょっと早いかな?と思いましたが、私も止まりませんでした。
キスが終わると彼は少し恥ずかしそうに、
「ごめん、つい・・・」
と呟きました。
「ううん、いいの」
と私は言いました。
彼はにっこり笑って、
「うん、じゃあ、また明日、遅くなるといけないから・・・」
と自転車に乗りました。
私も
「うん、じゃあね」
と言って、自転車を探して家路につきました。
家に帰ると嬉しくて、ずっと笑顔でした。
弟に
「おねーちゃん、どうしたの?」
と心配されるほどでした。
食事をしてすぐに友達に電話で報告しました。
告白された事、抱き合った事、キスした事、友達も
「きゃー、大胆すぎる!」
と言っていました。
それから私達は恋人として、毎日電話をしたり、学校帰りに遊びにいったりしましたが、すぐに夏休みに入りました。
彼は部活が休みの日は必ず私に連絡をくれて、一緒に2人で過ごしました。
大体彼の家に遊びに行っていました。
私達は付き合って一週間後には体の関係を持っていました。
いつも彼の家でお互いを求め合いました。
私は初めてでしたが、意外にも彼も初めてだったようで、お互い初体験でした。
そして、夏休みの中頃です。お盆休み中、彼は帰郷せず1人で家に残るようでした。
一方私の家族は元々帰郷する習慣はないので、彼は毎日でも遊びに来いよといってくれました。
その言葉通り、私は彼の家にお弁当を作って遊びに行きました。
事件が起こったのは、忘れもしない8月15日でした。
朝からお弁当を作って彼の家に向かうと、彼はテレビで終戦のニュースを見ていました。
私達は、いつの間にか戦争について話し合いました。
少し彼と意見が分かれる事があって、険悪なムードになりましたがすぐに仲直りできました。
お昼に、お弁当を一緒に食べ、エッチが始まりました。
私は彼に服を脱がされ、いつも通り彼が私の中に入ってきました。
そう、いつも通りのはずでした。
私は前日友達と夜遅くまで話していてほとんど寝ていなかったので、エッチの最中に猛烈に眠気が襲ってきました。
彼が一生懸命腰を動かしてくれていて、気持ちよくていつのまにか眠ってしまっていました。
そして、何かの物音で目が覚めました。
どたどたと階段を上がってくる音でした。
誰か来たのかな?と思う暇もなくドアを開けられ、学校の友達が数人は行ってきました。
同じクラスの男子で、よく一緒に遊んでいる男友達でした。
「え?何で?」
と一瞬頭の回転が止まりました。
友達の方も私がいる事にびっくりしたのか、まさに鬼でも見たような顔になっていました。
が、すぐに私は全裸である事に気付きました。
「きゃー!!」
と言って、胸を腕で隠し股を閉じました。
私の隣に眠っていた彼も、私の叫び声で目を覚ましました。
彼もおちんちん丸出しで情けない格好でしたが、やっと状況を飲み込み、
「何やってんだよ!」
と大きな声を出しました。
数人の同級生は
「わりぃ」
と言って、部屋から出て行きました。
私はすぐにブラをつけて服を着ましたが、頭が真っ白になっていました。
全裸を同級生に見られてしまって、凄く恥ずかしい思いでした。
同級生が入ってきた時は私は眠っていたので、下の毛からバストまでまるまる見られてしまったのでしょう。
しかも同級生に・・・。
彼は
「ごめんな」
と謝ってくれましたが、謝らなくていいから、あの人たちの記憶を消して欲しい・・という気持ちでした。
彼の家は、よく同級生が勝手に家に入ってくる家でした。
彼は
「家に帰ったら先に友達が俺の部屋にいて、俺を待ってる事もあった」
と言っていました。
後に彼は、
「減るもんじゃないし、いいじゃん。忘れなよ」
と言ってくれましたが、簡単に忘れられませーん。