俺が尻フェチに目覚めた瞬間の話

高校時代に俺をからかっていた女がいた。
なぜ、そんなことするのかわからないが、3人組の女が堂々と俺を好きだと広言していたんだ。
しかも学年でも人気がある、快活で美人な3人だった。
俺は嘲弄されているのかと、多少憤りを覚えてさえいた。
あまりにも開けっ広げなので、クラスの人間も本気にしてる奴は皆無だったが、時々腕に抱きついてくるなど思わせぶりな行動に出るので困惑していた。

ある日、その中の1人であるMさんが椅子に座っていて、俺の席からパンツが見えそうだった。
嫌われてしまおうと、一切はばからずにMさんの股間を凝視していると、彼女は俺に気づいた後も股を閉じるどころか股を開いてピンクのパンツを見せた。
そして周囲の友達と話をしながら、一瞬俺を見て微笑んだ。
正直、勃起した。
そのような振る舞いは何度か続いたが、それは序章に過ぎなかった。

ある日の放課後、俺の班は音楽室の掃除をしていた。
どこの学校もそうかもしれないが、俺の高校の音楽室は防音のため、分厚い壁とドアに囲まれている。
その部屋の中で床を磨くべく雑巾でゴシゴシやっていると、時同じくして同じ班に所属していたMさんが声を掛けてきた。

「T先生、雑巾がけって面倒くさくない?」

俺の名はT。
彼女たちはその名前の下になぜか『先生』という敬称を付ける。
呼ばれ始めた事由など思い出せない。
だから、それに違和感を感じることはなくなっていた。

「いや、別に」

俺は大抵の質問にこう返答する。
小学生の頃から女子と会話をするのは苦手だった。
それに彼女が何を考えているか全く計り知れないかったので、本音で喋る気にはなれなかった。
俺が彼女のパンツを盗み見ていることはバレバレだし、隙を見せたらそれをネタに強請られるのでは?
そんな思惑が警戒心に拍車をかけている。
まあ、どう警戒しようと袋のネズミなのだが。
とにかく、彼女達が何で俺につきまとうのか判らなかった。

バケツの水を捨てて戻ってきたとき、班の全員は解散して、音楽室から姿を消していた。
Mさんを残しては。
彼女は白く色っぽい太ももを強調するように足を組んで机に座っていた。

(・・・)

話すことはない。
バケツを置いて教室に帰ろうとすると・・・。

「エッチだよねー。いっつも私のパンツ、チラ見してるんだから」

そう言って足を広げると、白と黒がの縞々のパンツが見えた。

「なっ」

咄嗟に周囲を見渡す。
しかし、この部屋にいるのは俺とMさんの2人だけ。
いい機会だ。
今こそ徹底的に話し合ってやる。

「Mさん。AさんやIさんと結託して俺をからかうのはやめてくれ。その・・・。確かにパ、パンツを見たのは最低だと思う。ごめん・・・だけど、俺みたいなモテない奴につきまとったって無意味だと思うから」

口下手な自分を無理やり奮起させた。
上手な言い方ではなかったけれど、こっちの意図は伝わったはずだ。

「別に謝らなくてもいいよ。わざと見せてたんだし・・・。それにパンツを見た時のT先生の反応が可愛くて面白かったよ」

(「わざと見せてた」・・・)

Mさんの言葉を受けて、何とも言えない気持ちが快感のように駆け巡った。
頭がぼーっとして3秒ほど思考が停止する。

Mさんの外見に関して言うと、髪はストレートで肩よりも少し長い。
身長は165センチほど。
細身だけど、胸や尻といった出るところは艶やかな様相で主張している。
それはバレー部の活動と、遺伝的要因がもたらした健康的でエロチックかつ色白な肉体。
性欲に溢れた高校生の餌食にされているだろうそれは、俺の前で信じがたいセリフを口走った。
・・・いかん。
このままではあっちのペースに呑まれる。

「と、とにかく、Mさんの好きな人に誤解とかされてMさんが困ることになると思うんだ。だから俺のことは無視しちゃっていいと思うよ」

「ふ~ん。T先生は私がからかってると思ってるんだ。ほんと~に好きなんだけどな~」

「な、何を馬鹿なことを」

「ほんとだって~。確かにAとIは私に便乗して面白がってるだけかもしれないけど、私はT先生を愛してるよ」

そう言いながら足をパタパタさせる。
時たまパンツが垣間見えてるだろうだが、必死に視線を外す。
その彼女の主張は、『はい、そうですか』と納得できるものではない。
何しろこの状態は、エッチなお姉さんが馬鹿な童貞を面白がってるようにしか捉えられないのだ。
俺がイメージする愛の告白とは、女がドキドキして放課後の体育館裏とかで必死に思いを打ち明ける図だ。
こんなパンツを見せながらエロチックかつ簡素に言い放たれるものではない。

というか、今の彼女は変だ。
教室では快活で、健康的でみんなに慕われるいい娘なのに、極端に言えば、今の彼女はふしだらな女に思えた。
これ以上馬鹿にされるのも癪だから、無言で音楽室を後にしようとする。
すると、ガタッと音がした後、背中に柔らかい感触が生まれた。
何が起こったのか分からなかったが、やがて彼女が背中から俺を抱き締めていることが分かった。



「え?Mさん?」

「ねえ、おっぱい触りたくない?」

「は?」

「おっぱい触りたいでしょ?」

そう言って俺を机まで引いていった。
抵抗しようと思えば抵抗できる。
所詮女子の力だ。
しかし、頭が考える前に俺の足は彼女の目論見通り動かされていた。
思考はカットされ、俺は自然に机に座った。
唖然としていると、彼女の手が俺の右手を掴み、おもむろに豊満な胸へと誘う。
放心状態でその光景を眺めていると、右手が柔らかくてゴツゴツとしたものに触れた。
そのゴツゴツしたものがブラジャーだと認識するのが少し遅れる。
それが本能を呼び覚ますスイッチだったのか、今度は能動的に左手を彼女の胸に触れた。

「んっ・・・」

彼女は悩ましい吐息を漏らした。
なるほど・・・こんな状況になれば、紳士な男性の理性でさえも塵芥と化すのがよく分かる。
彼女の身体から力が抜けていくのを感じ、俺はゆっくりと彼女を机の上に倒し、彼女もそれに逆らわず横になる。
その瞳は官能的な悦楽に満ちていた。
それを前にして、不覚にも静止してしまった。
寝かせたはいいが、この先どうしたらいいか分からない。
それに学校でこんな淫らなこと・・・人が来たら・・・。

「大丈夫。落ち着いて」

そう言うと彼女は俺の首に手を回し、俺の顔を彼女の顔へと近づけた。
そして、濡れたふんわりした感触の到来によって雑念は氷解した。

「あっ、ん・・・」

温かかった。
肉体的、精神的にも温かかった。
その口付けだけで俺は彼女に対して、好きという感情を抱いたのかもしれない。
こんな感情は初めてだった。
これまで俺が抱いていた恋心など、これに比べれば陳腐なもの。
俺はこいつを抱きたい。
愛しているから。
それらは一瞬にして湧き上がる。
そして下で構える性器は人生で最高にいきり立った。
仰向けだった彼女を横に向けると、乱れたミニスカートから白く妖艶に輝く太ももが覗く。
それを右手で強く掴んだ。

「あぁっん・・・」

(柔らかい、柔らかすぎる)

俺の頭はもう暴走していた。
そしてそのままスカートの奥へと指を伸ばしていくと、一際柔らかい山を感じた。

(尻だ・・・少し下着がエロく食い込んだ尻だ)

触れると壊れないプリンのように揺れる。
俺が尻フェチに目覚めた瞬間だった。

「柔らかい・・・」

そう吐露すると、両手で尻たぶをグラインドさせるように揉みしだいた。

「はぁっ、あんっ・・・」

彼女は大人しく嬌態を晒している。

(女の尻とはここまで気持ちいいものなのか!)

やがて我慢できずに、いただきますとばかりに女性器を口で包むように尻に顔を埋めた。
下着は脱がしていない。
焦っていたのかわからないが、あの時の俺は下着を脱がさなかったのだ。

俺が何かアクションを起こすたび、嬌声を上げるM。
Mはもう完全に上半身をうつ伏せにし、尻を強調させるように立っている。
彼女は俺が尻を攻めたがっているのを肉体的に理解したのだ。
スカートを捲り、下着の間から舌を伸ばし、膣の辺りを攻める。
繰り返し言うが、なぜ下着を脱がさなかったのか、今でも分からない。

「あん・・・ぁあん・・・」

Mもノッてきたのか、尻を上下左右に艶かしく移動させて俺の顔を歓迎する。
顔全体に艶かしいプリンが敷き詰められ、嬉しいことに俺は快楽の尻攻めにあっている。
見ると真っ白な雪のようだったMの尻と腿はピンク色に染まっていた。

(ああ、あのMが俺を受け入れている)

興奮は高ぶって留まることを知らない。
そして決定的な言葉が掛けられる。

「ああんっ、気持ちいい、Tっ、もっと・・・」

はっきりとした「気持ちいい」と、「T」という呼び捨てによって、抑制し続け、蓄積されてきた快感が迸った。

「ああっ・・・」

ドクドクと下半身の一部が波打つ。
それはMではなく、俺の学生服のズボン及びトランクスに吐き出されている。
Mの肉体を前にして高ぶった興奮は決して収まらないが、燃料はもはや打ち止めだった・・・。

(昨日、手淫すべきではなかった)

そう意気消沈していると。

「T・・・残ったのでもいいから、お尻に付けて」

彼女は優しく微笑んだ。

「う、うん」

何とも間抜けな返事をしてズボンを脱ぐと、射精の余韻に浸っている息子が挨拶した。
それを見て、彼女は嬉しそうな恥ずかしそうな表情を浮かべて、「はい」と尻を突き出した。
腰を掴んで、弾力豊かな尻に擦り付けると、少ないが液が出た。
それを見て彼女は、「可愛い」などと男にとっては侮蔑とも言えるセリフを吐いたが、彼女の身体にかけることができた満足感の前ではどうでもいいことだ。
しばらく2人は静寂に包まれた音楽室で抱き合った。

別れた彼女を思い出した勢いで、このようなものを書いてしまいました。
お許しください・・・。