結婚を約束した彼女に、俺の親父が種付けしやがった

最近父親の葬式があった。死んだ人のことをどうこういいたくないけど、ほんとに、さいていなやつだった。仕事クビになってから、昼間っから酒飲んだりしててさ。
だから母親が必死で朝から晩まで働いて、俺たち兄弟を育ててくれていた。
しかし俺たちが大学も出るころには、父親も落ち着いてきていて、卒業式のあとに彼女を家に連れていったんだ。お互いに就職も決まっていたし、少し貯金もできたら結婚もしたいねって話してたから。

そしたら母親はすごい喜んでくれて。昼間だったから、父親は病院に行っているからいなかったんだけど、
「せっかくだから、お父さんにも紹介してあげて。御夕飯も食べていったらいいから。ね?」
と、母親がすすめるので、そうすることになった。

俺は久しぶりに、家が近い友達に連絡をしたら、
「帰ってきてるのか?久しぶりに会おう!」
って誘われて。近くのカフェで会う約束をしたんだ。

彼女にも「いっしょにいこう」って言ったんだけど、生理中で体調があまりよくなかったようで、「ちょっとヒデくんのベッドで休んでてもいいかな?」って言われたから、ゆっくり休むようにいって家を出た。

家からカフェまでは歩いて10分もかからない。久しぶりの再会で話が弾んでしまい、気づいたらもう16時を回ったころだった。

カフェを出てすぐのところで母親に会って、
「夕食の買い物にいってくる」
と言われたんだけど、母がなぜか顏に湿布を貼っている。どうしたのか尋ねると、苦笑いして、
「お客さんがきてるから、すこしでも綺麗にしようと思って掃除していたら、転んじゃったのよ~」
ってさ。今思えば、その時点で何かおかしいって気づくべきだったんだよな。

ぶらぶら歩いて家に戻ると、2階の俺の部屋のカーテンがしまっている。
まだ17時頃だったので不思議に思ったけれど、具合が悪いといっていたから、ベッドで休むときにまぶしくて閉めたんだろうと思った。

少しでも休ませてやったほうがいいかと思い、リビングでテレビを見ていたら、何やら2階でごそごそと音がする。
誰かいるのか?って思って、玄関で靴を確認したら、知らない男物の靴があった。

慌てて2階の自室へいき、ドアノブをひねっても、びくともしない。
「おい、何かあったのか?!」
どんどんとドアを叩いて声をかけると、中から、
「助けて!!ヒデくっんぐっっ!ううううーーー!!」
って、彼女の悲鳴が。

ドアがだめなら外から助けるしかない!そう思って、2階のほかの部屋から屋根の上を歩いて自分の部屋へ。
俺の部屋は窓がふたつあって、大きな方の窓はカーテンがしまっている。鍵も閉まっているからどうしようもない。どんどんとたたいてみてもダメだったし、それ以上力を入れてたたこうとすると、自分が屋根から滑り落ちてしまいそうだった。



小さい方の窓は、なんとか大人一人が通れるかどうかってサイズの窓。そっちはカーテンがしまっておらず、中の様子がよく見えた。

俺のベッドの上で、シーツを真っ赤に汚しながら、両手を縛られた彼女が父親に犯されてたんだ。
「ご両親に挨拶にいくんだから、きちんとした服じゃなきゃね!」って彼女が奮発して買ってきていたワンピースを胸の方までたくし上げて、ブラを上にずりあげ、白い乳房が形が変わるくらいグニグニと強く揉んでいる父親。

彼女が泣き叫んでうるさかったのだろう、口の中には何かが詰め込まれているようだった。
縛られた手で父親を押し返そうとするが、そのたびに頬をバシッと殴られて、彼女はだんだん抵抗する力を失っているようだった。

早く助けにいかなきゃ!って思うのに、自分が想像していた以上のことが起きると、人間ってフリーズしちゃうんだな。
しばらく、彼女が犯されてるのをぼーっと見てたよ。
父親が、自分の彼女の両膝を押さえつけて、サルみたいにガンガン腰振ってて……。

「ちょっと!!ヒデ……!!」
って、帰ってきた母親が屋根の上にいた俺に気が付いて、名前呼んでさ。
その拍子に我に返ったんだけど、足滑らせて、転落。幸い、庭の植木の上に落ちたことと、2階からだったから、片足折れた程度で済んだ。

そっからは、足の痛みも気にせずに、物置にいって斧を取ってきて、自室へ駆け上がって。部屋のドアを斧でぶっ壊して、それでもまだ彼女に覆いかぶさってる父親のことも、斧でどうにかしてしまおうって思って振り上げたんだ。

だけど、そこで母親が「やめてぇええ!!」って悲鳴あげてさ。
斧は置いて、父親のこと1発ぶん殴ってから、彼女に服着せて、すぐに連れて帰ったよ。

涙でぐしゃぐしゃの顏でも、俺のこと見るなりすごく安心した顏してさ……シーツ真っ赤になってたのと、あのときの彼女の顏が、どうしても忘れられない。

そっからは、結婚式もせずに、籍を入れた。
彼女に「あんなことしたやつの息子だけど、いいのか?」って言ったら、「ヒデくんは私のこと助けてくれたから」ってさ。

それからしばらくして彼女の妊娠が発覚して。今は子供ももう小*生になったけど……実はさ、俺の子じゃないんだわ。血液型、彼女がA型で俺もA型なのに、息子はB型なんだよ。

俺は実は、母親の連れ子でさ。母親もA型なんだけど、父親だけB型なんだ。生まれた子供の血液型知った時、彼女、「ごめんなさい」ってずっと泣いてたよ。

父親は死んだけど、自分の子供だってことは結局知らないまま、顔も見ないままだった。母親にだけは知らせたけれど、それ以降ガクッときちゃったみたいで、痴ほう症になっちゃってさ。今はホーム生活だ。

あの日、友達と会うときに無理にでも彼女を連れていっていたら……今でも、何度も夢に見ては悔やんでる。