女友達がサークル便所になった瞬間

俺が大学生のころの話。
一緒の学部で語学が同じだった女の子と仲良くなった。一緒の高校出身だがクラスが違うので絡みはなかったが、向こうは俺のことを見たことはあるらしいし、俺の方も…。正直、彼女の高校時代はむっちりとした肉付きのいい健康的な身体と、ピッチリしたシャツをハイ・ウエストな位置で留めたスカートに弛み無くinしてるので、ツンと自己主張する胸と、そのすぐ下で纏められたシャツから生み出される横からのシルエットは、物凄いものであった。本人は気付いていないだろうが、ロッちゃん(ロケットおっぱいちゃん→ロッぱいちゃん→ロッちゃん)なんてアダ名も小さく囁かれてた。

…というわけで、俺も知っていたわけだが、大学で再会していきなり胸をガン見というのも、印象が悪いので見てはいなかったが。

彼女を、俺が入っているサークルに誘ってみた。趣味系のサークルだが彼女には合っているし、それにサークルで出来た友達に、中の良い女友達を自慢したかったという気持ちもあったかもしれない。男だけで約10人のサークルだと伝えると少し悩んでいたが、了承してくれた。
女の子を男しかいないサークルに誘うなんて、今思えば一番やってはいけないことだった。

1年近く一緒にサークル活動してくると、やっぱりその弊害は出てくる。彼女はサークル員と馴染んで完全にサークルの一員になったのだが、部長、副部長、イベント幹事というサークルの幹部全員が、どこか彼女を贔屓している、というか彼女に対してアプローチしているように見えた。彼女を狙っているのだろう。その3人は確実だったし、水面下でもう何人かはいたのかもしれない。
そして彼女に一番近しいと言える男が、最初に知り合い、授業等も一緒の俺なので、俺へのサークル員の態度は、あまり温かいものではなかった。

ある日、彼女がボーッとしてるので、どうしたのか聞いてみると、部長と副部長にほぼ同時期に告白されたのだと。
ロケット「ねえ、どっちと付き合ったらいいのかな…?」
俺「そりゃあ…好きな方だろ。どっちが好きなんだ」
ロ「うーん…異性としては、どっちもかな」
じゃあいいじゃん付き合わなくて、と言ったのだが、彼女はまだ悩んでるようで
ロ「でもこういうのって、断った方は悲しむよね」
俺「まー悲しむだろうね。増してや一緒のサークルだし、居づらくはなるかも」
この発言がいけなかった。後で思い知らされる羽目になる。

結論から言うと、彼女は部長、副部長、そしてその後告白してきた幹事の三人と同時に付き合うことになった。もちろんそれぞれに「サークルの皆には内緒」という条件を付けて。
それを聞いた俺は当然、怒った。傷つけたくないと言う気持ちがあるのかもしれないが、そんなことは許されない。今すぐ全員にバラして謝りサークルを辞めるか、特定の一人に絞ってあとは振り、隠し通すかどちらかにするように言った。彼女も事の重大さを把握したのか、3人を振ると言ったのだが…

ここからは聞きづての話。
一足遅かったようで、その直後にあった飲み会(俺は参加できなかった)で三人と付き合ってた件が発覚。部長達は各々を恋敵と見做し、彼女もその後部長の家に連れて来させられ、責め立てられた。
ロ「ごめんなさい…私、サークルでみんなとお話するのが楽しくて…誰も嫌な気分になって欲しく無くて…」
と、感情の全てを吐露したようだ。しかし、それが部長達はそれを聞くと
「じゃあ、俺達全員の彼女になってよ。俺たちが皆同じ立場だったら、誰も不幸にならない。嫌だったら俺会長下りるわ」
ロ「でも、そんなのって…おかしい…」
俺達の気持ちを踏みにじった女の言えることか!とすごまれ、彼女は納得した。全てを忘れようと、彼女は大量に酒を飲んで、泥酔し、彼らに身を預けたそうだ…



俺はバイトが忙しくなったり、サークルで空気な扱いだったため気が付かなかったが、彼女への扱いはそうとうえげつなかったようだ。
部長達はもちろん、部長たちに許しを貰った部員は、好きな時に彼女の体を触っていいということになっており、ノーパンノーブラで授業受けさせられたり、空き教室でフェラさせられたり、と様々であった。
さらに、新入生勧誘では胸を強調させた彼女に勧誘させ、入ってきた冴え無さそう、且つ自分に忠誠を誓わせた後輩にのみ、筆おろしをさせるというやり方で、強いテリトリーを作っていた。もはや彼らにとって彼女は、彼らが恋した一人の女の子ではなく、ただの都合のいい肉便器+自分が絶対の王国染みたものを作らせる道具程度の扱いでしか無かったようだ。

そんな状態になっていたのを俺が知るのは随分後だった。
同級生「いい加減K(俺)にも味わわせてやりましょうよwwこいつの味知らないのあいつくらいですよwww」という一言からだったようだ。俺は部長の部屋に呼び出され、彼らから全てを明かされた。彼女は目を合わせない。
俺は断った。こんな腐ったサークルにはもう居られないと思った。でも彼女は
ロ「行かないで…K君も大切なサークルのメンバーだから…最近忙しかったけど、またアニメやゲームの話しよ?楽しいよ」
俺「なんでそこまでこのサークルにこだわるんだよ!」
ロ「だって!高校や大学で同性と話す会話のどれよりも楽しくて、どうしても、失いたくなかった…」
俺は彼女と二人になりたいと部長に頼んだ。彼女も一緒に頼んでくれたので、退いてくれた。
ロ「…本当はね、失いたくなかったっていうのと、もう二つくらいあって、理由」
ロ「ひとつは、こんな形でも私が必要とされてるってことが分かって…、私高校のとき、軽ーいイジメ受けてたんだよ。知ってた?」
俺「いや…」
ロ「まあ、軽く無視とかそんなレベルだったけど、辛かった。私なんか必要ない存在なんじゃないかって思いながら過ごしてたんだから」
俺「もう一つは?」
ロ「これはね…えへへ、やらされてたとしても「そういうコト」に対して積極的になっていく自分が、割と嫌いじゃないかも、なんて思い始めちゃったこと、なんだけど…」
俺「?」
ロ「K君みたいな綺麗な側にいる人とは、もう一緒に居られないかも。さっきはああ言ったけど、もういいかな。ばいばい。幸せになってね。」
俺「…わかった。最後にひとつ、質問していいか?」
ロ「何?」
俺「お前が本当に好きだった男は…いたのか?」
俺のその質問に、堰が切れたように涙が溢れて
ロ「いない…いないよぉ…いな…う…うぅ…」
泣く彼女を後にし、俺は部屋の外で待っていた部長に抜けることを話し、彼女との連絡手段を全て断ち、サークルを去った。
同じ授業にも彼女はほとんど顔を出さず、やがて彼女は中退した。それがサークルから抜けだす為だったからなのか、本格的に彼らの慰み物になるためなのか、俺には知る由もない。